【良い点】
1.目に対する長期的な影響が少なく、安全性が高い。
角膜には血管がないので、角膜の細胞は空気中の酸素を涙を通して摂取しています。HCLは直径が小さく、まばたきのたびにレンズが動くため、目の表面をおおっている涙の層がかき混ぜられて空気中の酸素が行き渡りやすいので、角膜の酸素摂取という点で最もすぐれています。最近は素材自体の酸素透過性も高くなり、安全性がより高まっています。
2.乱視の矯正効果が強い。
HCLは目の歪みによって形が変わらないため、乱視の強い人、場合によっては円錐角膜などの不規則な乱視の人においてもすぐれた乱視矯正効果があります。
3.目にキズがついてもすぐ治る。
目にゴミが入ったり、目にキズがつくとHCLは痛くて入れていられません。一見欠点のように思われますが、これはHCLが痛みという信号を出してくれるということです。したがって、HCLを装用している方には重い角膜障害が少なく、仮にキズができてもCLを中止すれば短期間に治ってしまいます。
【悪い点】
装用開始後、慣れるまでの間の違和感がSCLに比べて若干強い。 しかし、ほとんどの方はすぐに慣れますので、この点についてはあまり心配はありません。ただ、風の強い日などにゴミが目に入ると痛くなってしまうため、野球、サッカーなど屋外のスポーツには若干不向きです。
【注意点】
HCLの作成時には気をつけて欲しいことがいくつかあります。
まず、材質について。最近よく宣伝されている酸素透過性の極端に高いタイプは、素材自体がもろく、また蛋白などの汚れが付着しやすいため、耐用年数が短く、アレルギーの原因ともなりますので、当院ではおすすめしていません。ある程度の透過性があれば十分と考えます。
次に、どこで作るか。HCLは処方が結構難しく、処方の良し悪しが装用感のみならず障害の原因ともなりますので、信頼できる眼科での作成と定期検診を強く推奨いたします。経験からいうとトラブルになるのはいわゆる量販店で作成したケースや、眼科で作っても検診を受けていないケースがほとんどです。
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